「見た瞬間、色んなことが頭の中をかけ抜けていった」
「………」
「悩んで悩んで悩んで」
「………」
「そして、悩み抜いた結果、お前と離れることを決意した」
……っ、誉くん。
そっと目を閉じた誉くんはその時のことを思い出しているのか、沈痛な面持ちで唇を噛みしめている。
その表情を見て思った。
苦しんでいたのは私だけじゃなかったんだって。
哀しんでいたのは私だけじゃなかったんだって。
誉くんも私と離れたくないって思っててくれてた。
悩んでくれてた。
それがどうしようもなく嬉しくて、
心が温かい気持ちで満たされていった。


