一方、飛び降りたシンデレラは──


シンデレラ
「あいったたたた……たっ……助かった……
死んだかと思った……」


庭にあった木に、
うまい具合に引っ掛かりながら落ちたので、
何とか無事でした。

気付けばシンデレラは、
いつもの灰だらけの姿に戻っていました。


シンデレラ
「はぁ……何か、
一気に夢から覚めた気分だよ……」


しかし、足元をよく見ると、片方だけ
ガラスの靴を履いている事に気付きました。
それだけは、魔法が消えても残っていました。


シンデレラ
「何でこれだけ残ってるの?
ていうか、もう片方はどこ?」


辺りを見渡してると、
見回り中の兵士が
シンデレラを発見しました。


兵士
「むっ!怪しいヤツ!
そんなところで何をしている!」


シンデレラ
「あっ!わっ私は、
さっきまで舞踏会に参加してた者です!」


兵士
「嘘をつけ!お前みたいなボロい女、
いなかったぞ!」

シンデレラ
「ボロいって、超失礼!」


さっきの美しい姿のシンデレラとは
かけ離れていたため、
同一人物とは
まったくもって思われませんでした。


兵士
「あー……さては貴様、
さっきの黒づくめ集団の仲間だな!?」


シンデレラ
「えーっ!?そんなぁ、誤解です!
確かに灰だらけですが、
黒くはないでしょう!?」


兵士
「問答無用!先程の事件がきっかけで、
警備を強化してるんだ!
少しでも怪しいヤツがいたら牢にブチこめと、
大臣様からの命令なんだ!」


シンデレラ
「そんなむちゃくちゃなぁ!……
えーい、逃げちゃえーっ!」


兵士
「あーっ!こら、待てーっ!!」


かわいそうなシンデレラ。
すっかり悪者扱いです。