紅く染まった日

『名前は何て言うんだ?』


一人の男子が私に尋ねてきた。


『この子は有沢光里。今年から中学生なんですよね?』


「う、うん。」


白のセーラー服の子はなぜか私のことをよく知っているみたいだ。


『そうか、とりあえず自己紹介するか。名前が分からないと不便だしな。まずはお前から。』


『はい、総長。僕は井藤 快斗(イトウ カイト)、幹部です。よろしく。』


『あたしは神崎 耀子(カンザキ ヨウコ)。同じく幹部。』


『俺の名前は鷹野 拳也(タカノ ゲンヤ)。幹部やってる。』


『俺は新田 護(ニイダ マモル)。俺も幹部の一人だ。』


『あ、次私か。私は笹木 涙衣(ササキ ルイ)。よろしくお願いします、光里さん。』

白のセーラー服の子は私におじぎをしてきた。

涙衣ちゃんか。涙衣ちゃんは幹部ってやつじゃないんだ。

『えー、私は児林 律香(コバヤシ ノリカ)。よろしく。』


『俺は平川 蒼生(ヒラカワ アオイ)。よろしくな!』


『最後に俺だが、山森 弘毅(ヤマモリ コウキ)。ここの総長だ。最初の4人が幹部で3人は幹部候補のやつらだ。』


幹部……?


回想


『お母さんは昔ね、幹部っていうのをやってたんだよ。こう見えても体力だけはあったからねぇ。』


「ねぇ幹部ってなに?凄いの?」


『そりゃあ誰でもできるものじゃないからね。普段お母さんはよく皆にパンを焼いてあげたものさ。そしたらね………』




………!幹部ってお母さんが言ってたやつ?


「私の母も昔幹部ってやつやってたそうです!」


『『え!?』』


律香と蒼生は驚いていた。


『あ、ごめんなさい!いい忘れてたんですけど光里さんのお母さんは昔ここの幹部だった希羅さんなんです!』


『え!待って涙衣それほんとなの!?』


『希羅さんってあのパン作ってくれた人?』


何人かが声をあげた。