紅く染まった日

あれからどれくらいの時間が経ったのだろう。


私はベッドに寝かされていた。


私、昨日ベンチで寝てたはずなのに……ところでお母さんは?


「おかあ……」


そっか、お母さんはいないんだった。


私は枕に顔を伏せた。


柔軟剤の香りが漂う、これもお母さんが使ってたやつかな?


お母さん………


ああ、また泣いてしまう。


私は声を殺して静かに泣いた。


しばらく泣いてたんだけど、


ん?ここって家じゃないよね?え?


私は涙を拭くと、ベッドから起き上がった。


やはり違った。私の家ではない。


誰かが運んできてくれたのかな。


でも知らない人の家に泊まるなんて初めてだし、もしなにかあったら大変だ。


私は、部屋を出た。


ここってお金持ちの家かな?さっきの部屋も広かったけど、廊下長すぎ。


部屋がおそらくこの階だけで10はあるだろう。


私はなんとなく近くの部屋に入ってみた。


するとそこには、数人の男の子と女の子が座っていた。


『光里さん、どうぞ座って。』


一人の女の子が言った。その子は制服を着ていた。中学生かなと思ったけど白いセーラー服だった。


白の制服なんてあるんだ、初めて見た。


私は真ん中にあった席に座った。


『もうすぐ飯だから待ってろ。』


一人の男の子が言った。


その子は黒の学ランだったが、短すぎない?


他にも何人かちょっと変わった制服で、なかには私服の人もいた。


『お待たせしました~。』