紅く染まった日

『どこ……かな?』


旅行で来たところだから当然分かるはずがない。


梨羽……お母さん………お父さん………おじさん……


私、独りぼっちになっちゃった。


これから……どうすればいいの?


私は歩き始めた。


近くに時計塔がある。

3時だ。


もうそんな時間なんだ。


普段なら既に寝てる時間。でも、今日は眠くならなかった。


なんとなく見上げると、信号がついていない。


私はそのまま歩いた。


こんな時間だから、ついてるはずがないか。


私は今どんな顔をしているだろうか。きっとひどい顔だ。


私は偶然見つけた公園のベンチに座り込んだ。


バッグからサンドイッチを取り出した。


私は食いしん坊だからって、お母さんが作ってくれた。


サンドイッチを食べながらお母さんのことを思い出すと、また涙が出てきた。


「ううっ……お母っ、さん……」


私はカメラを取り出した。


カメラの電源を入れて、写真を見た。


私と梨羽とお父さんとお母さんが映った写真。おじさんが撮ってくれた。


みんな笑っていて、まさかこんなことになるなんて誰も思わなかったと思う。


ギュッっと強く握った手。私たちはずっと一緒なはずだった。


もう梨羽はいない、お母さんもお父さんも……


私はベンチに横になった。


そろそろ寝なくちゃヤバいね。


おやすみ、梨羽、お母さん、お父さん……


私はそのまま眠りについた。