紅く染まった日

その時


『ひっか!希羅(キラ)さんも逃げて!!あっ!!』


梨羽はなんと、戻ってきた男たちに捕まってしまったのだ。


『どうするこいつ?』


『やっぱ殺すっすか?』


『たっぷり犯してやれば大人しくなるんじゃねえか?ハハハハハハ……』


『てめぇらさっきからゴタゴタほざいてんじゃねぇよ!』


梨羽は男たちからなんとか離れ、叫んだ。


『んぁ?小学生がいいご身分だなぁ?自分の命が惜しくないのか?』


『自分の命なんかいい!ただ、光里には手を出さないで、約束して。』


「梨羽!!やめて!!私なんかの為に命を投げないで!」


『うちが最後にできるのはこれしかない。今までほんとにありがとう。ひっかの為に死ねてよかったよ。』


「梨羽!!!」


『ふぅ~ん、じゃあ言う通りにしてやるよ。舞!』


男が名前を呼ぶと出てきたのは、私と同じくらいの歳の女の子だった。


この子も捕まって………?


『こいつを殺すんだよ。いいな?』


舞という女の子は包丁を渡された。


女の子の手は震えていた。


とおくからみても分かる。


『光里、今のうちに逃げなさい。さあ早く!』


お母さんが私の背中を押した。


「でも梨羽が!!」


『いいの!どうか梨羽と、私……お父さんの分まで生きて!』


「お母さん!!」


『何をしてるの!早く行きなさい!!』


私は走った。ひたすら走った。


涙が止まらず、視界が霞む。


ごめんね……ごめんね…ごめんね………


気づいたら、私は知らない街へ来ていた。