私の悲鳴に異変を感じたのか、おじさんがベルトも閉めないで走ってきた。


『兄さん!!』


おじさんがお父さんのところに駆けつけようとすると、また銃声が。


[パァン…パァァアァァァン………]


次に撃たれたのはおじさんだった。


腹を2発、おじさんは倒れこんだ。


そして次は私に銃が向けられた。


『こんな可愛い子を殺すのは可哀想だけど、上からの命令なんでね。』


死ぬ!私は目を瞑った。




………あれ?撃たれてない。なんで?


『おいどうした。』


『…弾切れです。』


『あ?てめぇ準備しとけっつったろ!?』


『とりあえずこいつら捕まえとけ。弾持ってくる。』


何人かの男は遠くへ歩いていった。

『よし、お前らだが…ん!?なんだ‼』


なんと梨羽が男の脚を引っ張っていた!


『あんたら許さないわよ……光里(ヒカリ)の家族にこんな仕打ちをして……!!』


梨羽は男を転ばせ、脇腹をかかとで蹴った。


バギッっという音がなった。


梨羽、こんなに強かったんだ。


ふと横を見ると、お母さんが泣きながらお父さんを揺すっていた。


『あなた!!しっかりして!あなたが死んだら私たち生きていけないのよ!?愛する妻と子を棄てて飛び立つの?ダメ!!そんなのダメ!!いいから目を覚まして!あなたぁ………あぁぁぁぁあぁぁああっ…』


お母さんは号泣していた。私に見せた初めての涙だった。


私も泣き出してしまった。