「もしもし、笹木です。弘毅、今すぐみどり公園まで来れますか?」


とりあえず総長に連絡をした。


『お、どうしたんだ?そんなに慌てて。』


「女の子が今公園にいます。もしかしたら命を狙われてるかもしれないんです。早く来て下さい!」


『お、おう!とりあえず拳也も呼ぶな?』


「ええ、とにかく早くお願いします!」


あたしは電話を切った。


女の子のカバンを肩にかけ、女の子をおんぶしようとした。


カタッ…


なにかが落ちた。


カバンが開いていたせいでカメラが落ちてしまった。


あたしはカメラを上着のポケットにしまって、近くにライトがあるところへ行った。


ちょうどいいタイミングで弘毅と拳也がやって来た。


弘毅が女の子をお姫様だっこして、

『こいつはまず俺の家に休ませる。もしなにかあったら病院に連れていく。お前は今日は帰って寝ろ。疲れただろ?後は俺たちがなんとかする。』


あたしは言われた通り、家へ帰ったがなかなか眠れなかった。


あの銃声と女の人の悲鳴、走る女の子………


繋がりがあるのは分かっていた。だけどなにかが分からない。


あましにはまだ全ては見えていない。


さりげなくチャットアプリを開く。


誰かからメッセージが届いていた。

その主を確認すると、律香からだった。
しかも何件か不在着信があった。


[梨羽と連絡がとれない。親友の家族と卒業祝いって出掛けてったんだけど、昼までは連絡とれてたのに、なんか全く返信ない。]


………え?梨羽ちゃんが行方不明?


もしかして、あの子………いや、違う。


あたしは梨羽ちゃんと会ったことがある。


あの子は顔が違った。でもあの子はなにか知っているのかもしれない。