未熟女でも大人になっていいですか?

「……腹空かねぇ?アオムシがさっきからメシ食いたいって、やたらと騒ぐんだけど……」



グーーッと響く大きな音を聞いた。


いつぞやのことを思い出して、思わず声を上げて笑ってしまった。



「ははははは…!」


困った様な顔をしている。

その表情に目を向け、やっと気持ちが切り替わった。



「ご飯食べに行きましょうか。バイキングだから早い方がいいわよね」


ホッとする男に手を取られた。


「良かった。メシまで食わねぇと言われるんじゃないかと穿った」


「それはさすがにないわよ」


「そうだよな。カツラは食べるのが好きだからな」


「えっ!?そうじゃないわよ。私が好きなのはね…」


カードキーをテーブルから取り上げ、高島に手渡した。

クローゼットの中から丹前を取り出し、身に付けてから彼の側へ寄って行った。



「私が好きなのは……」


並んで歩き出すこの瞬間と


「望さんが美味しそうに食べている姿を見ること」



1人ではないと教えてもらえる。

その日常の幸せが、いつまでも続いて欲しいと願う。


「なんだ。そうだったのか」


狭いドアの付近で振り向かれた。


「そうよ、だって本当に見てて面白いんだも……」



いきなり寄られてキスされた。


さっきの様な強引さを含んだキスじゃない。


優しくて、温かで、包み込まれそうな感じ……