未熟女でも大人になっていいですか?

『女とは縁を切れ。お前の今後を生かすも殺すもお前次第だ』



「名言ね」


「だろ?」


2人で笑う。

ホテルに着いてからの緊迫していた空気が少しずつ変わった。


「俺、あの人に出会えて良かったと今でもずっと感謝してる。だから、今日会ったあいつにも、俺と同じ様に思って欲しい」


「田所さんのことね」


「ああ、あいつはきっとロクな生き方してねぇ。あの風貌を見れば、それなりに想像はつく」


「彼が聞いたら怒るわよ」


「いや、きっとお見それしましたって笑うぞ」


「望さんはポジティブね」


「ネガティブに生きてもつまらんって言うだろ」


笑いながら答える彼の顔を眺めた。

私の考えていたことは、ある意味思いきりネガティブだったのかもしれない。



「……ねぇ、望さん」


「ん?」


「私、聞いておきたいことがあるの」


頭の中で巡っていた思いを吐き出そうと決めた。


抱え込んでいては、いつまで経っても彼には触れられない。



ハッキリとその口から聞いてみたい。


あの日、我が家を訪ねてきた本当の理由をーーーー




「それはいいけどさ、カツラぁ」


ベッドの端に座っていた男が立ち上がってくる。

緩んだ胸元から見える肌の張りに、忘れかけていた鼓動が蘇る。



「何?どうしたの?」


静まれ心臓。

お願いだからドキドキしないで。