未熟女でも大人になっていいですか?

私の言葉に高島の顔が引きつった。


「だって、もっと大変な仕事だと思ったから」


仕方なく言い訳をする。


「屋根の反りの部分を修禅するのに足場が不安定だったんだ。それで是非とも押さえておいてくれと頼まれた」


「ふぅん。そうだったの。それで?それから毎日手伝いを?」


「する訳ねぇだろ」


「あ…やっぱりね」


遊び半分でやってたと言ってたからそんなもんだろうとは思った。


「でも、そのうち本気になったのはどうして?」


「棟梁の作るメシが旨かったから」


「えっ!?それだけが理由!?」


「悪いか?」


「いえ、そんなことはないけれど……」


何処かで聞いた話と同じだなと思った。

高島は私の方を見ながら「アオムシには勝てなかったんだよ!」と本音を漏らした。



「ギャンブルで金を使い果たして女の部屋を追い出された。行く宛もなく神社へ泊まりに行ったら、棟梁がメシを作ってる最中で。『食うか?』と聞くから『食ってやるよ』と……」


「強がったのね…」


「違う!素直に応じたんだ!」


「それのどこが」


「うるさい」


段々と話しているうちにいつもの調子に落ち着く。


高島は私が座っているソファへと近寄り、それからの日々を教えてくれた。



「宮大工の仕事は実際地味で面白さはあんまり無かった。でも、棟梁はそんな仕事にこそ味があると言ったんだ」