「その間、家族とはどうしてたの?」
心配そうな声で尋ねられた。
カツラにとって家族とは、切っても切れない縁ものらしい。
「ずっと音信不通を保った。母親だけは時々電話をしてきたけど、一度だって出てやったことはない」
ウザいとか喧しいとしか思えなかった。
一番の不向きと戦ってるんだから大人しく見守っとけという気持ちで一杯だった。
「酷い話ね」
カツラが怒っている。
いや、もしかしたら娘の立場として、苦言を呈してるだけなのかもしれない。
「酷くて馬鹿ばかりやってたんだよ、棟梁に会うまでは」
最初に神社で出会った時、俺は逢いびきの最中だった。
その場所にいろんな女を引き連れて来る俺を、棟梁はいつも唖然とした表情で睨み付けていた。
『毎日お盛んで羨ましい限りだな』
人をサルのように言う言葉にムカついた。
ギロッと睨みを効かせても、棟梁はちっとも怖気づかない。
逆にどんどん冷めきった目を向けて、こっちの方が目線を逸らしたくらいだ。
『お前、仕事はしとらんのか』
手も休めずに聞かれた。
『バイトならやってる!』
その言葉を鼻でせせら笑った。
『バイトねぇ』
明らかに馬鹿してる雰囲気があった。
『何だよ、文句でもあるのかよ』
粋がった俺を見て、棟梁は『別に』と呟き、点検箇所の修繕を始めた。
心配そうな声で尋ねられた。
カツラにとって家族とは、切っても切れない縁ものらしい。
「ずっと音信不通を保った。母親だけは時々電話をしてきたけど、一度だって出てやったことはない」
ウザいとか喧しいとしか思えなかった。
一番の不向きと戦ってるんだから大人しく見守っとけという気持ちで一杯だった。
「酷い話ね」
カツラが怒っている。
いや、もしかしたら娘の立場として、苦言を呈してるだけなのかもしれない。
「酷くて馬鹿ばかりやってたんだよ、棟梁に会うまでは」
最初に神社で出会った時、俺は逢いびきの最中だった。
その場所にいろんな女を引き連れて来る俺を、棟梁はいつも唖然とした表情で睨み付けていた。
『毎日お盛んで羨ましい限りだな』
人をサルのように言う言葉にムカついた。
ギロッと睨みを効かせても、棟梁はちっとも怖気づかない。
逆にどんどん冷めきった目を向けて、こっちの方が目線を逸らしたくらいだ。
『お前、仕事はしとらんのか』
手も休めずに聞かれた。
『バイトならやってる!』
その言葉を鼻でせせら笑った。
『バイトねぇ』
明らかに馬鹿してる雰囲気があった。
『何だよ、文句でもあるのかよ』
粋がった俺を見て、棟梁は『別に』と呟き、点検箇所の修繕を始めた。

