未熟女でも大人になっていいですか?

「将来は宮大工になりたいのか?それとも別の道を目指してんのか?」


働き始めて一年程度の人に聞く質問なのだろうか…と思う。

田所さんは困った表情をして、「えーと」と、短い声を発した。


「オレとしては、このままもう少し働いてから考えようかと思ってるんっすけどね」


運ばれてきた定食に付いていた割り箸を歯で噛み、ズズッとお味噌汁を啜る。



「棟梁、こいつの取り柄は何ですか?」


割り箸を掴みながら高島が富沢さんの方へ振り向く。


「ショータの取り柄か……まぁ今の所これと言ってないけどな」


「ひでぇ!この間、計算だけはやたら速いって言ってくれたじゃんか!」


「ああ、そうか。そう言えば計算するのだけは速かった!」


悪い悪いと謝りながら食事を進める。

三人三様の食べ方を眺めつつ自分も目線を食卓に戻した。


トレイの中には、ご飯とお味噌汁の他に鶏肉の天ぷらが乗っていた。

付け合せに盛られたキャベツは新鮮そうで、小鉢の中にはフキの土佐煮が入っている。


「とり天はこの辺の名物なんだよ」


富沢さんが教えてくれた。

カリッと揚げられた衣は薄く、味の付いた鶏肉と相性も良い。

食べ進めながら高島は田所さんと交流を深め、食べ終わる頃には彼の行く末さえも心配してやっていた。



「よしっ、ショータ。お前の将来は測量技師だ」


「測量!?あり得んっしょ」


「何でだよ。できるよ」