未熟女でも大人になっていいですか?

「確かにあまり良い事もしてなかったけど、別に窃盗や強盗をしてた訳でもねぇ。きちんとバイトくらいやってた。ただ、家賃の要らねぇ生活を送ってたんだ」


「家賃の要らない生活?」


またしても謎のキーワードが出てくる。


一体、何処でそんな暮らしをしていたと言うんだ、この男は。



「それって、どういう意味?」


幼い頃から実家暮らしの私には、家賃のいる生活は分からない。

家から出たこともなければ、追い出されたことだってない。

母と2人でひっそりと、慎ましやかに生きてきただけだ。



「それは……」


高島が言い淀む。

話してもいいのかどうか自問しているみたいな彼の顔をじぃっと睨みつけてしまった。


「…あのな、何を詮索されても文句は言わねぇ。でも、勘違いだけはするなよ」


話し出す前から要望された。

意味不明ではあったけれど、とにかく信じてみるんだ…と頷いた。


「分かった。努力する」


話す前から希望するのだからそれなりの事実を覚悟した。

意を決して話そうとした高島の背後から富沢さんの声が響いた。



「高島ー!飯に行くぞー!」


ガクッと項垂れた彼は直ぐに振り返り、大きな声で言い返す。


「はい!分かりましたぁ!」


声を発して私の方へと向き直る。

釈然としない私を見下ろし、「また後から話そう」と歩き始めた。