未熟女でも大人になっていいですか?

「お前のことだろ」


「違うし!」


立石君の声に琴吹君が反論する。

きゃあきゃあと賑やかな笑いが巻き起こり、明るい雰囲気に包まれた。


その中でただ1人、私はじっと俯いている。


どうして高校時代の写真なんて持ってきたのだろう。

私は過去を振り返りたくないのに……。




「カツラ」


高島から名前を呼ばれる。

顔を上げると、アルバムを指差された。


「お前も見てみろよ。いい顔して写ってるぞ」


「……えっ?」


差し向けられたアルバムに視線を送る。


そのページには二年生だった彼等が写っている。


修学旅行先で一緒に写されたもの。

この時、私は引率者として同行していた。



「フジちゃんはお姉さんみたいな存在だったから、『先生』じゃなくて『フジちゃん』ってニックネームで皆呼んでたの。懐かしいよねー」


臨時採用ながらも懸命に授業をしていた頃。

不安も恐怖もなく、希望に満ち溢れていた。


「男子にも優しかったから好きになる奴も多かったけど、基本皆遠巻きに眺めるてるだけだったよな」


「お前を含めてか?」


「違うって!何でそうなるんだよ!」


照れながら否定する琴吹君を2人がからかう。

そう言えばこの3人は、当時からいつも一緒にいた。


そして、この中にあの子も……



「ん?こいつは誰だ?」


高島が指差した写真にビクつく。

焦りと緊張で冷や汗が出た。