未熟女でも大人になっていいですか?

辛かった過去の話も聞いて、だからと言って何かを諭す訳でもない。


「俺は何もやってねぇよ」


「ううん、十分やっている」


「そぉか?だったら頼みがある」


「何?」


「昨日の続きしよう」


さらりと誘われた。

でも。


「あっ、それは無理。今夜はテストの採点しないといけないし、試験中はナシね。採点の後、解答用紙を作って今後の授業の準備も始めるから」


「冷てぇ」


「そう言われても……」



先にストップかけたのそっちでしょう。

私はスタンバイしていたのに。



「あーもういい。その代わりお礼くれよ」


「何の?」


「カツラの気持ち軽くしたお礼」


「分かった。ビールのお替りでしょ。取ってくる」


カタン…と椅子から立ち上がった。


「違う。カツラ自身」


ぐいっと腕を引っ張られる。



(あっ……)


思う間もなく近づいてきた顔に目を瞑った。

重なっていく唇の隙間から焦げっぽい醤油の香りと、飲んだこともないビールの麦芽風味が広がる。

慣れないアルコール臭に目を眩ませながら深いキスを味わった。



「あの……望さ……っ……」


重ね続けられるキスの嵐に足の力が抜ける。


こんな何回もされたら酔う。


アルコールに…じゃない。


高島自身に。




「……っは………」


やっと離された唇の端から息が漏れた。

小刻みに震えている私を抱いて、高島が囁く。