「私、このミックスフルーツジュースにしよう」
5分ほど悩んだ女は意外にあっさりとした物を注文した。
「ブレンドコーヒーとミックスフルーツジュースですね。少々お待ち下さいませ」
「お待ち下さい」という台詞を聞かずとも、朝からずっと待たされている。
早く解放して欲しい。
デパートというこの牢獄から。
「船頭さんって無口ね」
目の前の美人が声を発する。
「そうですか?(…と言うより、仙道だと早く気がつけ!)」
「そうでしょ。だって服を選ぶ時も私の隣でじっと立ってるだけだったし」
(それはあれこれと口を出してはいけないと思ってたからだ!)
「そうでしたか」
「そうでしたよ」
にこっと笑う顔には華がある。
美人の笑顔は素晴しい。
見ていて実に爽快だ。
しかしーーー
「女性から何度も声をかけられていたのに知らん顔というのはどうもね。あれだけモテてたんだから愛想くらい振り撒いてやれば良かったのに」
誰のことを言っているのかと考えた。
何も言わずにいる僕の顔を眺めていた『ヤマガタ ミツ』は、小さく息を吐いて呟いた。
「私が言ってるのは船頭さん、貴方のことよ」
「……へっ?僕ですか?」
「そうよ、誰のことだと思ってたの?」
「あ……いや、誰と言われましても……」
少なくとも自分のことではないな…と考えていただけで。
5分ほど悩んだ女は意外にあっさりとした物を注文した。
「ブレンドコーヒーとミックスフルーツジュースですね。少々お待ち下さいませ」
「お待ち下さい」という台詞を聞かずとも、朝からずっと待たされている。
早く解放して欲しい。
デパートというこの牢獄から。
「船頭さんって無口ね」
目の前の美人が声を発する。
「そうですか?(…と言うより、仙道だと早く気がつけ!)」
「そうでしょ。だって服を選ぶ時も私の隣でじっと立ってるだけだったし」
(それはあれこれと口を出してはいけないと思ってたからだ!)
「そうでしたか」
「そうでしたよ」
にこっと笑う顔には華がある。
美人の笑顔は素晴しい。
見ていて実に爽快だ。
しかしーーー
「女性から何度も声をかけられていたのに知らん顔というのはどうもね。あれだけモテてたんだから愛想くらい振り撒いてやれば良かったのに」
誰のことを言っているのかと考えた。
何も言わずにいる僕の顔を眺めていた『ヤマガタ ミツ』は、小さく息を吐いて呟いた。
「私が言ってるのは船頭さん、貴方のことよ」
「……へっ?僕ですか?」
「そうよ、誰のことだと思ってたの?」
「あ……いや、誰と言われましても……」
少なくとも自分のことではないな…と考えていただけで。

