拒否しているのに近付いてくる。

冷蔵庫の扉に背中を押し付けられ熱いキスを受けた。



「あ……の……ぞむ……さ……」


キスが次第に激しさを増す。

いつもなら蕩ける気分になる筈なのに、ムカムカと気持ちが悪くなってきた。




「……ちょっと……待って……」


止まらない吐き気をもよおす。


「何だ?どうした?」


高島が顔を覗かせる。


「吐きそう」


「えっ!?」


慌てて距離を置かれた。


「早くトイレに行ってこい!」


失礼な程避けるし。

でも……


「うん…ちょっと口ゆすいで来る…」


突発的な吐き気は一時的で治まった。

口腔内に漂ったアルコールのせいかな…と思いながら洗面所へ向かう。



「あーあ、夜までお預けになりそうだなぁ…」


部屋に引っ込んだ高島の声を聞きながらうがいを繰り返し、その足でトイレに行った。



(あれ……そういえば最近ない……)


室内に掛けられたカレンダーの目印を目で追う。

最後にあったのはいつだったろうと丸の場所を探した。




(嘘………)


無言のまま声か出なくなる。


最後に月のものがやって来たのは6月の旅行前だった。

5月の中間考査が終わり、やっと出来そうだな…と誘われた時にあったきり。


法要や入籍式の準備の他、期末考査や終業式までが重なりだして慌ただしい毎日を送っていた。