未熟女でも大人になっていいですか?

「歩けるのか?」


「何とかね。でも、腰から下が重過ぎる」


「じゃあ抱っこしよう」


「いいっ、今治った!」


「都合良すぎるぞ」


「お子様ですから」


今までと変わらない関係に笑いが起こる。

ゆっくりと歩き始め、朝焼けを見ながら露店風呂に浸かった。


夜明け前の空には、薄い雲の層と茜色が一緒に棚引く。

ラベンダーカラーに染まる空を見入りながらほぉ…と深く息を吐いた。



朝食を食べ終わったら高島の両親に会いに出かける。

暫く帰ってもいない男は手土産すらも不要だと言った。


不仲そうな親子関係がずっと気にかかっていた。

高島はそんな両親を相手に何と言って私を紹介するつもりなのだろう。


気に入って貰えるだろうか。

上手く話ができるといいけれど。



……昨日以上に胸がドキドキする。

高島の両親に、結婚を認めてもらいたい。

愛させて欲しい。

彼も、家族もーー。





「心配する必要はねぇ」


朝から山盛りのご飯を食べながらアオムシは断言した。


「親父もお袋もカツラを気に入る」


何の根拠でそう言うのか、こっちはさっぱり分からない。


「心配せずにお前も食えよ」


呑気そうに構える。


「あまり食欲ない」


「昨夜食べ過ぎたからか?」


「違う!緊張してるから!」


「バカバカしい緊張だな」


(あんたにとってはそうでしょうよ)


全くもう…と声に出し、辛うじて茶碗一杯分のご飯を食べきった。