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「あ、………」




大きな暗い館の二階。



そこには5人の青年が思い思いの体勢でくつろいでいた。






そんなとき、窓側で外を眺めていた桃色の青年が声を上げた。




ふわふわとした猫毛の薄桃色の髪。




濃い紫色の瞳がランランと輝いていた。






他の青年が彼に目を向けると、彼はとても楽しそうに話した。





「…彼女だ…!彼女がきた!」



「……!」




その声に反応が1番大きかったのは、赤い髪が特徴的な背の高い青年だった。




大きい、と言っても下に落としていた顔を上げただけなのだが。





「……やっと、来たのか」




ずっと待っていたような口調なのは、そのとおり、彼らがずっと待っていたからだ。





そしてその隣では。


「………」




不安そうにキョロキョロと周りを見回す青年。



その緑色の瞳が、ゆらゆらと揺れていた。





1番反応が薄い、むしろ反応がほぼなかったのは、ソファで横になって、青い髪を床にたらしている青年だった。





彼は本を読み、窓の外は1度目を向けただけだった。






そしてそんな様々な彼らをドアの近くで見つめ、呆れながら笑っている、白い長髪の青年。



彼が口を開こうとした時。




扉がノックされる音がした。





「……では、お迎えに行きましょうか」




一度開きかけた口を閉じると、彼は静かにそう言った。




白い青年がドアを開け、外に出ると、桃色の青年が後をついていった。





「おや?どうしました?」




「僕も一緒に行こうかなって」




にこっと笑った桃色の青年は、白い青年より年上のはずなのだが、傍から見れば白い彼より何歳も下に見える。





「そうですか」




「うん。…久しぶりだしね……」



「………」





彼らにとっては、久しぶり。


だが彼女にとっては初めまして。







あの時、自分たちが決めたこと。


だから悲しんではいけない。






すべては、守れなかった自分たちの性なのだから。