晴れやかな午後。


この広い庭に差し込む陽は暖かくて、気を抜いたら眠ってしまいそう。





ふと視線をずらすと、麻色の髪を揺らして走る少女の姿。



彼女が振り返るけれど、その顔は逆光でみえない。





彼女が私を手招く。




けれど、眠くてここから動けない。





『もう!姉さんたら!!』




ぼーっとして少女を見ていると、彼女は仕方ないとでも言わんばかりに私の手を引いた。



『せっかく綺麗な顔なのに、そんな惚けた顔じゃもったいないわ!ほら……』






彼女の口元が少しだけ上がる。




『笑って?私の自慢の姉さん…』