「おはよう。」


学校につくと、ちょうど前に二人の姿を見つけた。


「あっ、涼。おはよう。」


「………」


広瀬から返事が返ってこないのを不思議に思いながら顔を覗き込む。


「広瀬?」


「…おはようございます……」


そう言った広瀬の声は擦れていて、いつもより少し低かった。


「つくし、風邪じゃない?お母さんに言えばよかったのに。」


心配そうにそういう奈々に、広瀬はダルそうに口を開いた。