広瀬を初めて見たのは新入生歓迎会の日。 新入生代表のあいさつを緊張した様子も見せず、淡々と済ませ壇上から下りてきた広瀬。 冷静で冷めきっていて、全く人を寄せ付けない。 俺の中での第一印象はそうだった。 その印象が変わったのは、早くもその日の放課後。 下校中、奈々の隣で歩く広瀬の目を見た瞬間だった。 新入生代表のあいさつを淡々とした冷えきった冷たい目。 奈々の隣を歩く彼女は、そのときと全く同じ目をしていて。 その目は何故だかすごく寂しそうだった。