さよならを告げるまで





 私が何故ここにいるのか。簡単にいえば、君は翔や美桜のお荷物となっている。邪魔をしないように。存在すら公にされないこと。喚んだ以上生活の面倒はみる、というものだった。
 よく異世界トリップもので、力がない方は放り出されるとかあったが、まずは暫く大丈夫だと息を吐いた。

 美桜と翔は御披露目らしい式だったか舞踏会だったかがあるそうで、私は淡々と告げられた話を聞くしかなかった。


 私がここにいるのは、あの森で気絶したかららしい。気絶しているうちに引っ越しは済んだ、ということだ。
 まあ、引っ越しするような私物はほぼないのだが。


 この離宮内ならば自由に歩きまわったり、部屋に入ったりしてもいい。必要なものは人に頼むこと。
 それは―――幽閉。



 国を救った英雄には力があった。以降、英雄のような存在を求めた結果生まれた儀式。
 儀式で成功し、現れた人にはみな、何かしら力があったらしいのは本で読んだし、お前はないのかとうんざりするくらい言われたのでわかっている。

 力なんてあるか。

 私はただの日本人。ひねくれていて、干物女で、可愛くない。ああわかってる。力があるというのは、あれか。チートとかいうやつか。そんなものあるはずがないじゃないか。


 公に発表するなら、力がない者がいることなんて言わない方がいいに決まっている。
 今まで出なかったのに、何故今回は力のない異世界人かいるのだと責められたくはないし、歴史を変えたくもないはず。なら、私の存在はこれからどうなっていくのだろう。