あの日、本当に偶然だった。

帰ろうと思い廊下を歩いていると近くの教室がやけに騒がしくて少し覗いてみると女子達が集まっていた。

どうやら大人数でトランプをしているようだった。

もうすぐで生徒は完全下校の時間帯になり、教師が見回りに来る。

あの様子じゃまだ帰る気は無いな…見回りに来た教師に説教されてご愁傷様。

そう思い、その場から離れて帰ろうとした時、







「小鳥遊さんの負けー!罰ゲーム!」

「え⁉︎本当無理だって!」

「何がいいかなー?」







悩みながら嬉しそうに言う女。

トランプで罰ゲームとか、どんだけ子供じみてんだよ…。

女の大きな声の言葉に呆れながら、今度こそ帰ろうとした時、








「あっ!じゃぁ、須藤彼方の素顔とかどう?」

「それ気になるー!」








不意に俺の名前が出て来て足を止めざるを得ない。

は?何だそのしょうもない罰ゲームは…。

てか、勝手に人の事巻き込んでんじゃねーよ…。







「いや!無理無理!無理だから!」

「大丈夫だって!写真撮って来るだけでいいし!」

「いや本当無理!殺されるって!」








…おい、犯罪者扱いか。

写真撮ったぐらいでそんな事するわけないだろ。