俺は冷静になり掴んでいた手を離す。







「で、何?喧嘩の理由は?」

「…別に。」

「そうやってすぐ喧嘩するから小鳥遊さんも帰っちゃうんだろ?」







俺は直也の言葉の意味が分からず、直也の顔を見る。

え?違うの?と呑気に俺に向けて言う。







「さっき、小鳥遊さん見たけど…?」

「え、何処で…」

「廊下で。方向的にこっちから来たと思ってたんだけど…」






何で美沙子が校舎裏に…なるべく来るなって伝えてるはずなのに。

来たとしたら俺に用があって来たんだろうけど、なら何で何も言わずに帰ったんだ…。

もしかして、今の話聞かれてた…?

何か勘違いしてるんじゃ…。

俺はため息をつきながら、美沙子に会いに行くか迷ったが、きっと教室に行けば嫌な顔をするのが目に見えている。

しょうがない、そう思い今度連絡して放課後此処に来てもらう事にしよう。

そう思いながらこんな事になってしまった原因である真純を少し睨んだ。