「何じゃ…こりゃ…」








只今、お昼休み中。

私と一緒にお昼ご飯を食べているのは、雨弥と奏羅と、そして何故か広田君。

そして私の手元には広田君の携帯。

その携帯の画面には、銀髪黒マスクの執事姿の男の子がお姫様抱っこをしている画像が映し出されている。

いや、その執事姿の彼は私のよく知っている…と言うか彼氏の須藤君なわけで。

そして顔は写っていないものの、そのお姫様抱っこをされている子は浴衣姿で、その浴衣の柄ときたら…まぁよく知っている柄なわけで…!










「どうゆう事⁉︎」

「美沙子ちゃん知ってたー?文化祭の日から彼方が年下の子に人気出始めてるの。」

「いや、そうじゃなくてお姫さ…え?人気…?」

「そ。この画像が年下の子の間で回るくらいにはねー。」










…ちょ、ちょっと待てい…頭が追いついていない…整理しろ自分…。

とりあえず、文化祭で倒れた時に須藤君が助けてくれたって事は聞いてた。

でも、聞いていない。お姫様抱っこされてたなんて!

しかもこんな写真撮られる程大勢の前で…!

そして執事姿してた事も聞いてないし?

その上、この一件で須藤君が年下に人気が出てるって?

そりゃこんな男前惚れるよね!

私はそんな事を思いながら、う゛ーと画面とにらめっこしていると、スッと携帯が取られた。










「この画像も年下の子に送って貰ったしねー。」

「何、その子須藤君狙いだって?」

「美沙子ちゃん、顔怖いから…」

「つーか、お前いつまで居るわけ?」

「あ、御免、美沙子ちゃんとばっか喋って!オレは奏羅ちゃんと喋り」

「黙れ。」











奏羅が睨みながら言うが、広田君は気にした様子は無く、またまたぁ、と軽く流しては言い合いをし始める。

須藤君の話は…お終いですか、広田君よ…。

私は、奏羅と広田君の言い合いを聞き流しながらため息をついた。