だから、俺にしとけよ。





「私、絶対いじめられるんだけど!」


入谷くんのことを好きな子たちの前であんな……!

もし私が逆の立場だったら、絶対恨むもん。



京ちゃんに目の前であんなことを言われたら。




「その時は俺が守るし。
今俺は伊都ちゃんと話したいの」



こっちを見ることなく真っ直ぐ前を向いて歩いている入谷くん。


その横顔を引っ張られながら見つめる。


入谷くんって本当につかめない人だ。




「よし、話そうか。
ってここ、俺らが初めて話したところだね」



ニヤニヤしている入谷くん。

絶対わざとだ!




「そんで、あそこの教室が伊都ちゃんの初キスの場所。
いやぁ、何か恥ずかしいね」