だから、俺にしとけよ。




授業中は入谷くんとは班が違うおかげで、実験中も話すことはなかった。

今日は実験だから、化学が2時間あるから、あっという間に終わってしまった。




「歩美ちゃん、今日って一緒に帰れない?
久しぶりにカラオケでも行きたい」


「あーごめん!
今日は彼氏と約束あるから」


「そっか……」


「そんな寂しそうな顔しちゃって!かわいいなぁ!
来週なら空いてるよ」


「……じゃあ来週」


「了解」



ふくれっ面になる私を一度ぎゅっと抱きしめてから、歩美ちゃんは急いで化学室を出て行った。


歩美ちゃんは少し前に彼氏ができた。

1個上の先輩。



歩美ちゃんに一目惚れして、入学当初から猛アタックを受けていて、ついに付き合うことになったんだ。



私、ぼっちかぁ……。