確かに遅刻は困る。
私は頭が良くないから、平常点で稼がなければいけない。
「京ちゃん、またね」
ここは仕方ないけど、入谷くんの言う通りだ。
京ちゃんは何か言いたげな顔をしていた。
ごめんね、京ちゃん!
心の中で謝り、入谷くんの手を振り払う。
「自分で行けます!」
合宿以来だ。
こうやって、入谷くんに触られたのは。
こんなに近い距離にいるのは。
入谷くんといるとどうしてもあの日のことを思い出してしまうから、私はどうすればいいのか分からない。
気まずい。
だから、入谷くんと一緒にいたくない。
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