京ちゃんは入谷くんとは違うんだから。 そんなこと言うわけがない。 落ち着け、落ち着けー。 自分に言い聞かせながら、深呼吸を繰り返す。 「大丈夫か?」 「うん!平気平気!」 「伊都ちゃん、今日実験だから早く行かないと……」 「きゃあっ」 後ろから腕を掴まれて、思わず叫んでしまう。 振り返ると入谷くん。 た、タイミング……。 「ほら、早く」 「あ、京ちゃんっ」 「ちょっとあんた」 「遅刻するから」 京ちゃんが口を開くも、入谷くんが低い声でそう言う。