ははっと笑う京ちゃんに、私は拗ねた表情をするけど本当は拗ねてなどいない。
話しかけてくれるだけですごく嬉しい。
幼なじみで何年もの関わりがあるのに、話せるだけで本当に幸せなんだ。
大好きだからこそ、それはずっと変わらない。
「教えてよ!ねっ?」
「ちゃんとお礼しろよ?」
「え?それってちゅ……」
「ちゅ?」
「あああ!何でもないよっ!
もちろんするって!」
焦って、すぐに首を横に振る。
心臓がすごい勢いで加速しだす。
ドキドキじゃなくてバクバク。
『お礼はちゅーでいいよ』
入谷くんのせいで、私の思考回路はやられてしまっている。
あんなこと言うから!



