だから、俺にしとけよ。





おかしくて笑っていると、京ちゃんはコツンと頭を小突く。

京ちゃんがよくする癖だ。



「伊都のくせに」


「えへへ」


「バーカ」



優しい声音で言われて、思わずにやけてしまう。

京ちゃんと話せて幸せだな。


合宿はいつ会えるか分からないから、会えた時の嬉しさは倍増だ。




「じゃあ、俺は行くわ」


「え?」


「またな」




私の頭をポンポンとしてから行ってしまう。

何で?


サボりなら私と一緒にいてくれてもいいじゃん。



振り返り京ちゃんを追う。


非常階段の方に行く京ちゃん。