だから、俺にしとけよ。




何の前触れもなく、私に話を振られる。

驚いて、声が出ない。



「え?何で?」


「持田くんが堂々と女の子に優しくしてるのとか見たことないんだけど」


「裏では遊んでるっぽいけどね」


「そうそう」



ズキッと胸が痛む。

どうしよう。


だけど、ここは冷静に。




「京ちゃんとは幼なじみ……だから」


「幼なじみなの!?いいなぁ。しかも京ちゃんって仲良い感じする」


「付き合ってるとかないよね?それか好きとか」



京ちゃんのことを好きと言ったひろちゃんが私に尋ねてくる。

周りも私を見ている。



緊張で口が動かない。



「伊都は幼なじみだよ?」


「そうだけど、でも男女の幼なじみなんだからさ!何もないってことはないでしょ」