入谷くんに顔を向けずに、静かに大広間に行き1番後ろの席に座る。 そこで勉強をスタート。 出遅れたから頑張らないと! そう思ってもなかなか進まない。 む、難しすぎる……。 周りはどんどん終わらせて、大広間を出て行く。 「伊都ちゃんまだ?」 「え、入谷くんは終わったの?」 「だってこれ、中学の復習じゃん。これ解けずによくこの高校に受かったね」 「京ちゃんのおかげだもん」 私の言葉にムッとした表情になった入谷くん。 私はすぐにまたプリントに視線を落とす。 ここは、えっと……。