だから、俺にしとけよ。




私はその言葉に頷いて、おずおずと京ちゃんの首に手を回し背中に乗る。

と、いっきに立ち上がる。




久しぶりの京ちゃんの背中だ。



「小学生の時、思い出すね」


「あの時も伊都はケガして、俺がおぼって帰ったんだよな」


「覚えてるんだ」


「何回もありすぎて、どの日のことかはわかんねぇけどな」



そんな京ちゃんに嬉しくて、さっきよりも強く抱きつく。


好き。

京ちゃん、本当に大好きだよ。



「相変わらず伊都はどんくさい。昔から俺がいないと何もできないな」


ふっと笑う声が聞こえる。

そうだよ。


私は京ちゃんがいないと何もできないの。



だから、ずっと一緒にいさせてね。


そんな願いを込めて、京ちゃんの首元に顔を埋める。