だから、俺にしとけよ。




「あれ?もしかして……」


「伊都」



入谷くんが何か言いかけた時、私を呼ぶ低い声。

そこには合宿中は会えないと思っていた京ちゃん。


いつもすごくタイミングが良い。

私が困ってる時に来てくれるから、京ちゃんは小さいころからずっと私のヒーローだ。



「大丈夫か?」


入谷くんより後ろから来た京ちゃんが私のすぐ目の前に来てくれる。

そして私の足をチラッと見る。



「あっと……うん」


「嘘つくなよ」


京ちゃんは私の頭をコツンと小突く。

頭を押さえると、京ちゃんは背負っていたリュックを入谷くんに押し付ける。