山のでこぼこ道を歩き始めて、私の体力はどんどん削られていく。 「伊都、頑張って。少し休憩する?」 「ううん、まだ頑張る」 歩美ちゃんが振り返り何度も声をかけてくれる。 他の人も辛くても頑張って登ってるんだから、私も負けてらんないよ。 細めの道だから、私が止まれば後ろの人にも迷惑かけちゃう。 「伊都ちゃん大丈夫ー?」 「うわっ」 「ちょっと、そんな嫌そうな顔しないで。傷つくじゃん」 そんなことを言う入谷くんだけど、嫌な顔をせずにはいられない。