だから、俺にしとけよ。




恥ずかしさから俯いていると、入谷くんが私に近づいてきて、スマホの画面を見せる。


そこには私の寝顔の写メ。



目を閉じて、窓に腕を添えて枕のようにしている私。




「ちょっ!盗撮!消して!」


「やだね。ロック画面にしてるから。俺のお気に入り」


「最低!」


「なんかね、伊都ちゃんに最低って言われすぎて、もうそれは褒め言葉のように感じてきた」


「バカじゃないの?」


「そうかも」



そうかもって……。

入谷くんはニコッと笑顔を見せてから、歩いてこの場を離れた。



なんなの……つかめない人だ。