「できるなら、彼女になりたい……」



俺の耳元で呟く長谷部の声ははっきりとしていて、少し熱っぽかった。


思わずドキッとなる。




そして、自分でも口角が上がったのが分かった。


そのまま長谷部の家まで来て、やっと下ろして顔を見合わせる。

長谷部の顔はやっぱり真っ赤で、俺と目を合わせようとはしない。




「あ、ありがとうございました……」


「うん」


「そ、それでは……」


「言い逃げじゃ、俺を落とせないけど?」


「え……?」


「じゃあな」