そんな私の顔を無理やり上げさせて目が合う。
入谷くんは驚いたような表情をして、私を教室の中に戻して後ろ手にドアを閉める。
「また、泣いてたの?」
入谷くんは私の涙の跡に気づいたらしい。
いや、あれだけ泣いていつも通りの顔なわけがないんだけど。
目も重たいから腫れてるだろうし、顔もむくんでいるに違いない。
「今……何時間目?」
「4時間目が始まったとこ」
もうそんなに経ってたんだ。
時間の感覚が分からなくなってた。
「で、どうして泣いてたの?」
「……京ちゃんと別れた」
「はぁ!?」
驚いた声を上げて、私に背を向ける。