その言葉と同時に急に肩に手を回され引き寄せられる。
気がつけば目の前はネクタイと白のワイシャツ。
私は驚きで固まってしまう。
「入谷くん、何で……」
「今日寝坊してさっき来たんだ。
そしたら伊都ちゃんいなし、今井さんも知らないって言うし、下駄箱にローファーあるから学校いるはずだし……」
息を整えながら話してくれる。
もしかして、心配して探しに来てくれたの?
そこでハッとしたように入谷くんが体を離す。
だけど、私は自分から入谷くんの腰に手を回し抱きしめる。
「え、伊都ちゃ……?」
驚いている入谷くんだけど、気にせず抱きしめる力を強める。