伊都をチラッと見ると、夢中で画面を見ている。


俺はそんな伊都を見つめている、と。




「京ちゃん……集中できない」


「え?」


「私じゃなくて映画を見てよ」


「あ、悪い」



照れたような伊都がかわいくて、そう言ったものの映画になんて興味ない俺は見るつもりはなく。


思わず伊都を抱きしめる。




「ちょっ!京ちゃん!」


「無理だって。
伊都がいるのに、映画に集中とか。
触れてたいし」



自分でも気持ち悪いと思う。

それくらい伊都のことが好きなんだよ。


理性を抑えることなんてできない。