だから、俺にしとけよ。





恐る恐る振り返ってみると、あの入谷くんと目が合う。


そしてニコッと爽やかな笑顔にピースサインまで。

これが好きな人ならキュンとするんだけど……。



「せっ先生!
私には無理なので、やっぱり外してください!」


「じゃあワタシしたい!」


「えーあたしも」


「うちもしたいし~」





急に実行委員が人気になった!

さっきまでみんなしたくないからって静かだったのに。


きっと入谷くん効果だろう。


入谷くんを好きな人にさせてあげた方が、いいに決まってる。



近づけるチャンスだもんね。




1人「うんうん」と頷いていると、先生が教卓を軽く叩いた。


思いのほか大きい音で、教室がシーンと静まり返った。