ずっと夢見てた。 いつかこんな日が来るのを。 京ちゃんが私だけを見てくれる時を。 もう諦めていた。 なのに今、京ちゃんは私のことを“好き”だと言ってくれた。 「伊都のこと、好きだからお前には渡せない」 京ちゃんから視線を入谷くんに向ける。 すると目が合った。 切ない少し遠い目をしている入谷くんに、また胸がズキッと痛む。 「入谷く……」 「伊都ちゃん」 私が名前を呼ぶより先に呼ばれる。 「良かったね」 「え……?」