入谷くんの言葉を遮った京ちゃんのセリフに驚きの声が漏れる。
京ちゃんを見上げると、こっちをチラッと見たけどすぐに逸らされた。
「イライラすんだよ。
伊都が他の男に触られてると、話してると。
すっげぇイライラする」
少し目線を落としている京ちゃん。
声のトーンがいつもより弱々しい。
「気づいたんだよ。
俺のことずっと見ててほしいとか追いかけてほしいとか。
伊都は俺だけで独占したいって思うのは何か」
そう言って京ちゃんは私を見る。
「これが好きってことなんだろ?
これが恋ってやつなんだろ?
恋愛感情なんだろ?」
「京ちゃ……」
「伊都、好きだ」
こんな言葉をもらえる日が来るとは思わなかった。



