そんなことないよ。
「本当はすごく腹立ってる。
何で私がこんな思いしなきゃいけないんだって。
でも、ひろちゃんは私と似てると思ったから」
気持ちが分かるから。
私も何かのきっかけがあれば、ひろちゃんと同じような行動をとっていたかもしれない。
私の中にも、そんな悪い考えがきっといるから。
「それに、入谷くんが怒ってくれたから。
これ以上責められるのは、ね」
しかも私なんかに言われたくないよね。
「そっか。
まぁ俺も関係ないのに首つっこんじゃったからごめんね」
入谷くんがひろちゃんに手を出す。
そのまま強引にひろちゃんの手を握り握手をする。
「仲直り。
女の子には優しくしないといけないけど、ちょっと乱暴だった。
でも、ひろちゃんも悪いことしたからお互い様で」



