「伊都もいろいろ思うところがあるんだろうけど、本当はもう答えが出てるんじゃない?」
「へ?」
「だけど、それでいいのかに困ってる。
今までのこともあるし」
歩美ちゃんの言葉にはあまりピンとこない。
それは明らかに答えが出ていない証拠だと思うんだけど。
「これは自分で決めるしかないよ。
いったんすべてをゼロにして考えてみたら?」
「もっと具体的に!」
「あたしの憶測だからあまり言いすぎると引っ張られて自分の本当の想いが分からなくなりそうだから、これ以上は言わない」
「えー」
「でも、これだけは言っとく。
最近の伊都、無理してる感じがなくて素で楽しそうだったよ」
ニコッと大人っぽい笑みを浮かべてから、歩美ちゃんはお好み焼きを食べ始めた。
ヒントと言えるヒントではなかった気はするけど、これは私が考えなくちゃいけないんだ。