いつものヘラヘラした声や態度じゃない。
そんな入谷くんは少し迫力がある。
「ねぇよ」
「お客様のお帰りでーす!」
大きな声で言った入谷くんの声は、騒がしい教室にもよく響いた。
その声に反応してみんながこちらを見る。
「ありがとうございましたー!」
「ありがとうございました」
「あっしたー」
入谷くんの言葉に続き、クラスの人も合わせて続く。
居心地が悪くなったのか他校生3人組は、舌打ちをしてから席を立った。
もう掴まれていた裾は離してくれたけど、体が動かない。
「二度と来ないでくださーい」
入谷くんがにこやかに言って、他校生を送り出す。
それに対してまた舌打ちをしたけど、それ以上は何も言わずに去って行った。



