「さ、最終チェックしよっか」 この空気から逃れるために、さっと入谷くんの横を通り過ぎる。 だけど、すれ違う時に入谷くんに手首を掴まれて前に進めない。 「何?」 「ちょっと来て」 「わっ」 私が返事をしないまま、入谷くんは無理やり引っ張って教室から出る。 廊下はみんな準備とかで騒がしい。 そんな中、階段の下の踊り場に連れて来させられた。 「何なの? ……ってちょっとこら!」 私が止める前にカシャッとシャッター音が響く。 ムッとして、入谷くんに手を伸ばす。